SSDアプリケーション

NAS（ネットワークアタッチドストレージとも呼ばれる）は、インターネットに接続されたストレージ機器であり、Windows、Mac、Linux向けにプラットフォーム横断的なストレージをサポートする中央集中型のデータアクセスサービスを提供することで、さまざまなオペレーションシステムとネットワークを使用するユーザーがデータにリモートからアクセスすることを可能にしています。ユーザーの場所を問わず、ブラウザーやモバイルアプリケーションを通じて、NASデバイス内のファイルを簡単に管理・アクセスすることができます。

NASはCPU、RAM、ハードディスク、ネットワークインターフェイスカードなどを搭載した小型PCです。NASのオペレーティングシステムとソフトウェアは、データの保存、検索、関連管理機能のみを提供し、不要なプログラムやソフトウェアを排除してファイルのI/Oパフォーマンスを最適化しているため、ファイルサーバーよりもずっと効率的なファイルI/O専用のデバイスとなっています。しかし、他のアプリをインストールすることで、NASの機能を大幅に多様化し、ウェブサーバーやファイルサーバー、メールサーバーなどとすることもできます。

通常、NASは複数のハードディスクを搭載し、RAIDを構成してそのサービスを提供しており、データセキュリティを高めるために、RAID 1、RAID 5、RAID 6が最も多用されています。NASを装備すれば、ネットワーク内の他のサーバーは重複するファイルサーバーの機能を担う必要がなくなります。NASがネットワーク内の他のサーバーやワークステーションに接続された大型ファイルサーバーとして機能するためです。NASは、企業にとって最適なプライベートクラウドストレージソリューションとなります。NASは企業のネットワークに接続されておらず、独立してノンストップで稼動でき、企業のサーバークラッシュ時や定期メンテナンス、シャットダウン時でも、ユーザーはNASにアクセスすることができるためです。

大量の企業データがNASに保存されている場合、24時間年中無休のシームレスな運用とリアルタイムのバックアップがNASの中核的な責務となります。エンタープライズNAS製品には、ハイアベイラビリティ（HA）アーキテクチャを備えたものがあり、これはデータセキュリティを確約するとともに、システムが故障した場合でも通常の動作を維持します。全く同じ規格の2台のNASデバイスを使用してハイアベイラビリティクラスターを構成し、リアルタイムバックアップを実行していれば、1台のNASデバイスが突発的な事態や故障でオフラインになっても、2台目がシームレスにオンラインになり、企業の適切な運営が確約されます。あるいは、HAクラスターを確立したデュアルコントローラーNASを採用し、2つのコントローラーノードを装備すれば、両方ともNAS内のすべてのハードディスクにアクセスを提供することができるため、一方に故障やファームウェアのアップデートが発生した場合、他方のコントローラーがすべてのサービスを自動的に引き継ぎ、システムのダウンタイムを可能な限り減らすことができます。

より多くのストレージスペースが必要な場合、コントローラーがディスクエンクロージャを接続し、容量を増加することにより、NASシステムは優れた柔軟性と拡張性を提供します。また、スケールアウトアーキテクチャを採用し、ストレージ容量を拡大すると同時に、システムのパフォーマンスを高めることもできます。今日の膨大なデータの増加を背景に、スケールアウトアーキテクチャを採用したNAS（スケールアウトNASと呼ばれる）が需要を満たすべく台頭してきました。スケールアウトNASは複数のNASデバイスで構成され、すべてのノードのディスクスペースとプロセッサーの性能を統一して運用することで、数百TB、さらには数PBレベルのストレージデバイスの性能と容量を獲得することができます。スケールアウトNASが容量の拡張や性能の向上を必要とする場合、クラスター内のノードを追加することで、オフラインにする必要なく容易に行うことができ、これにより利用可能な容量を増加するだけでなく、アクセス性能とI/O接続性も直線的に向上させることができます。

デスクトップNAS、ラックマウントNAS、デュアルコントローラーNAS、スケールアウトNASのほか、最新のバリエーションとしてオールフラッシュNAS（オールフラッシュスケールアウトNASとも呼ばれる）があります。これは、ハイパフォーマンスコンピューティング（HPC）やメディアおよびエンターテインメント（M&E）アプリケーションに対応するために設計されたものです。その名が示すように、オールフラッシュNASはハイパフォーマンスI/Oと低遅延のアプリケーションに重点を置いたオールSSDのストレージアレイです。オールフラッシュNASは、ストレージスペースの柔軟性と拡張性がさらに高く、例えば数百TB、あるいは数PBのデータストレージへのJBOD容量拡張をサポートします。さらに、購入に際して価格を重視する必要があるときは、ハイブリッド構成のNASが適したソリューションとなります。All SSD PoolとAll HDD Poolのハイブリッドレイアウトは、パフォーマンスが重要なワークロードをAll SSD Poolに割り当て、コールドデータや大容量を必要とするアプリケーションをAll HDD Poolに保持することで、より柔軟な展開が可能で、最適なシステム効率とよりインテリジェントなデータ管理を実現することができます。

ネットワークアタッチドストレージ

NASシステム全体のアクセス性能は、プロセッサーの性能、ネットワーク帯域幅、そしてストレージデバイスの性能によって決まります。膨大なデータ処理量が容赦なく増加している中、シングルまたはデュアルコントローラーNASのI/O性能の上限を考慮すると、SSDをキャッシュとして利用する（NAS SSDキャッシュ）ソリューションは、パフォーマンスのボトルネックを打破するNASの強みとなります。Solid State Storage Technology CorporationによるSATA SSDのシーケンシャルリード・ライト速度は従来のHDDの5倍、 PCIe® 4.0 NVMe^TM SSD の場合は68倍高速となっています。SSDの導入プロセスは、一貫してお客様と緊密に連携しながら行われ、最適化されたパフォーマンスと低遅延の優れたユーザーエクスペリエンスを提供し、最適なNAS SSDキャッシュソリューションを実現します。

複数のプロセッサーを装備したスケールアウトNASにおいて、その卓越したI/O性能は疑う余地がありませんが、HPCアプリケーションの場合、HDDの読み出し/書き込みのボトルネックが障害となることがあります。SSDとHDDのハイブリッドストレージで構築されたスケールアウトNASに、Solid State Storage Technology Corporationの大容量かつ高速の読み出し/書き込みが可能なSSDを採用し、SSDキャッシュを効果的に活用しながら、ホットデータとコールドデータを分けることで、オールSSDストレージアレイに近いパフォーマンスを効果的達成すると同時に、従来のハードディスクが持つ大容量のメリットを享受することができます。もし予算に制約がなければ、ハイパフォーマンスコンピューティングに最適な能力を備えたSolid State Storage Technology CorporationのSSDでオールフラッシュNASを展開することが最善のソリューションとなります。Solid State Storage Technology CorporationのSSD製品はすべて、工場出荷前に業界標準を上回る信頼性試験と、業界標準に準拠した高低温耐久試験に合格しており、より安定性と耐久性に優れた、高性能かつ省電力のSSD製品を提供します。